2017年6月23日金曜日

ブログ引っ越し


6月19日より、ブログを引越ししました。

今まではGoogleの提供するブログサービス「Blogger」を利用していました。
しかし、技術的問題点が幾つかあり、解決のためには引っ越しするしか無かったため、すべての記事を丸々移動させつつ、ブログを引っ越しました。

ブックマークしていただいている方は、ぜひ新ブログへの置換をお願い致します。

今後も、
「なんだか分かりにくいことをできるだけ分かりやすくまとめて説明」
のコンセプトで記事を書いていこうと思います。

どうぞよろしくお願いします!

のゴロウ


引越し先
 ↓↓↓
http://netsu56.club/



2017年6月16日金曜日

窓の変更は得か損か?まとめ?





とにかく高性能な窓にすれば室内は快適に、光熱費は安く。
正直そう思っていました。
でもそうではなかった。
そんな単純な話ではありませんでした。

考えてみれば「窓の性能」にもあれこれあって、
熱貫流率
日射熱取得率
日射遮蔽係数
反射率
etc...

一本の物差しでは測れないですね。

窓の面積によっても、家全体に対する熱貫流率の影響具合が変わるし、
南面の窓面積に対しては日射熱取得率がとても効いてくるし。

で、色々と試した結果分かったのは、
ペアかトリプルか?!
を悩む前に、
断熱Low-Eか遮熱Low-Eか、非Low-Eか。
そのほうが、ガラスの枚数よりもずっと光熱費に効く、ということ。

南面の窓は断熱Low-E
東西面は遮熱Low-E
北面は、、、どっちだ?! #これは宿題。


そして、ペアからトリプルへの変更を検討する段階に入りますが、、
40〜50万円の追加費用を支払っても、
目に見える光熱費ではペイしない現実。
全樹脂サッシのペアガラスあたりがベターでしょうか。やっぱり。



だから高断熱化する必要なし、という意味ではありません。もちろん。
我が家は、
Ua値 = 0.28 [W/㎡・K]
かなり高断熱の部類です。
室温は安定するし、真冬でも全く寒くないし、大満足です。
断熱性能を高めるほど、
暖房している部屋とそうでない部屋の温度ムラは解消されていき、
家中どこも超快適!になることうけあいです。
将来的な医療費を考慮に入れれば、
断熱性能を高めておくのは良い投資です。
エネルギーをそもそもあまり使わない家にしておけば、
エネルギー価格の変動など気にもならない生活が送れます。

「今年は灯油が高いわねえ」
「最近電気代が上がったなあ」
「中東の情勢が悪化して石油価格が上昇したからガス代が上がる!」

そんな心配は無用な家になるんです。
住んでしまえば、後戻りはできません。正直。
でも、これ、住んでみないとよく分からない。

だったら何をすべきか?

現実的な冷暖房費で家を快適温度にすることができる断熱性能を確保することは必須。
それ以上は、家を建てる人に判断をおまかせする、
というのが一番いいのかなと思っています。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所



2017年6月14日水曜日

続・続・窓の変更は得か損か?


前回、前々回の記事に続き、第三弾。

第一回では「窓の変更にメリットが無いかも」などと言いつつ、
では何もしなければ損をしないかと言えばそうでもない第二回
大切なのは、正しい知識をもって検討すること、と思い至りました。

そして窓においては、南面は日射遮蔽タイプのガラスを入れない、
という鉄板ルールが出来上がりました。@愛媛

地域差が気になってきたのでまた後ほどやってみますが、
今回は、南面開口の面積とその影響です。




先に結論をちょろっと言うと、
夏は開口面積が大きくなれば冷房費が増えますが、
冬、高断熱の場合は、開口面積が大きくなるほど暖房費が下がります。



以下、細かな話を綴ります。お付き合いください。

壁は、窓よりも更に顕著に日射を入れない部位ですし、
窓とは比べ物にならない程に熱抵抗の大きい部位でもあります。

窓の種類の違いどころではない明確な差が出るのでは?と考えています。


今回比較したのは、断熱性能が
 ・ZEH相当(樹脂サッシ/断熱Low-E)
 ・断熱等級3相当(アルミサッシ/ペアガラス)
の2パタンの家で、開口部の大きさが
 ・7280 x 2400
 ・5460 x 2400
 ・3640 x 2400
 ・1820 x 2400
 ・開口なし
の5通り、合わせて10通りのシミュレーション結果です。

間取りも何もあったもんじゃないようなただの箱に、
南面だけに開口を作って、
断熱性能と開口の大きさを変えたプランでシミュレーションを回しました。
作った箱は以下のような感じです。




さて結果です。
まずは年間の冷暖房費合計の比較。



表やグラフを見せられても、と思ったあなた!
気にしなくていいです。
この結果を見て言えるのは、

 ・断熱性能が低いと、窓を大きくすればするほど光熱費がかかってしまう
 ・断熱性能が一定以上あれば、ある開口面積までは冷暖房費が上がらないらしい

の二点です。


冷暖房費、として冷房と暖房が混ざっていると、
夏、冬それぞれに何が起こっているのか分かりにくいので、分離。


まずは
冷房が動く時期、窓の面積と冷房費はどんな関係があるか、というと、



断熱性能によって程度の差はあれど、
南面の窓の面積が大きくなるほど、冷房費がかかってます。
それだけ日射が入ります、ということです。
非常に単純な関係。
断熱性能の高い家の方が、開口面積の上昇の影響を受けていません。
アルミサッシと樹脂サッシの差があるので、そりゃそうですね。
アルミサッシだと熱的にはツーツーです。

ちなみに今回は、窓面積の影響を直接見たかったので、
軒や庇での日射遮蔽は一切していません。


次は
暖房が必要な時期、窓の面積と暖房費にはどんな関係があるか、というと、こんな感じ。




断熱性能が等級3程度の場合、面積に応じて暖房費が増えていますが、
面白いのはZEH相当の家の場合。
窓を大きくするほどに、暖房費が一定の値まで下がっています。

これは、前回、前々回に書いたような、日射を上手に使うと暖房費下がります、
に合致した結果ですが、
日射で部屋を温める効果は、一定以上の断熱性能が要求される、ということです。


巡り巡って、そりゃそうだ、という結果になってますが、
グラフにして可視化すると、腹に落ちた感じになりました。


家がスッカスカのままで、「日射で暖房費を下げる」とかそんな説明するまえに、
まずは家の断熱性能を上げましょう。
断熱性能が十分に上がったら、やっと、日射取得の工夫をする意味が出ます。

そして、家の性能が低い場合は、窓を小さくするしかなさそうです。

窓を大きく開放的にしながら、同時に快適性を上げ光熱費を下げて、、、、
そんな願望があれば、断熱性能を上げることが第一歩。
そうすれば、いろいろなことが好転するようです。



ひとまずZEH相当程度に上げておけば、色々と上手くいきそう。
次の段階は財布と相談。。。


窓まわりの熱のふるまいについて徐々に材料が集まってきたので、
どうまとめるか、考えます。


あ!
今気づきましたが、、、
全く同じガラス性能で面積だけ変えるべきでしたね、、
ガラス以外の躯体性能は変えてもいいですが、窓性能は、、、失敗しました、、、


次回、やり直すのか?




のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所




2017年6月12日月曜日

続・窓の変更は得か損か?



前回の続き。
窓の変更は得か損か?!



損得にガッツリ関わりそうなポイントは2つ。
 ・ガラス性能 ・窓面積


2つの要素を同時に検討すると発散するので、
今回はまずガラス性能に注目します。



サッシをYKKAPの全樹脂サッシ、APW330で固定した場合、
普及品として選べるガラスは、5種類。
 ・ただのペアガラス(非Low-E)
 ・日射取得Low-Eペアガラス
 ・日射遮蔽Low-Eペアガラス
 ・日射取得Low-E真空トリプルガラス
 ・日射遮蔽Low-E真空トリプルガラス



前回使った「自立循環型住宅モデルプラン」は日射遮蔽が完全にはできていないので、
今回はしっかり軒の出たプランで光熱費計算をします。
ベースのプランはこれ。
 #プランの南北が逆になってます。悪しからず。





このプランで、窓ガラス5種について、それぞれを使った場合の光熱費はこんな結果に。


【全館冷暖房の場合】

断熱Low-Eトリプルガラスの場合が最も安く
遮熱Low-Eペアガラスの場合に最も高くなる結果でした。


ガラスによって変わる要素は
・日射取得量
・熱損失量

の2点です。
これらのバランスが、年間冷暖房費という結果になります。
そして、年間の冷暖房費は最大で1万7千円程度の差、でした。
35年でおよそ 60万円の差額
おお!これならメリットが!!!!!!!!!!!


。。。。いや、落ち着きましょう。


遮熱Low-Eガラスと断熱Low-Eガラスは同価格です。 
なので、導入に40万円程度必要な真空トリプルガラスによって得られるメリットは、
年間3000円程度。35年で10万円、、、、

だめだこりゃ。

しかも気になって仕方がないのが、上から2番目の、
非Low-Eのペアガラス
断熱Low-E真空トリプルと、年間1500円ほどの差しかありません、、、

なんなら、Low-Eガラス入れるよりも光熱費が安くなるという結果。

快適性については、、、全館暖房なので、室温は常に21℃以上となり、差がないです。


これはなんとも、、、



結果として、
このガラスを入れれば、この窓にすれば、光熱費は安くなりますよー、
ということではありませんでした。


ガラスなら、断熱(日射取得)タイプや日射遮蔽タイプの違いを理解し、
ベストな選択をすれば、お金をかけずに光熱費を抑えることが可能、ということです。
そして、なーんにも考えずになんとなくガラスを選んだとして、
南の大きな窓が遮熱Low-Eだった場合、ただ「知らなかった」だけで、
年間1万5千円もの損失を被ってしまう、ということです。
35年トータルで52万円!

大きい。これは大きいです。


必要なのは追加費用ではなく、正しい判断、です。
そして、南面の窓ガラスは日射取得タイプにしましょう。
それが正解の模様。
遮熱タイプはやめておきましょう。


窓面積の影響については、次回。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

2017年6月11日日曜日

窓の変更は得か損か?


「ホームズ君」でお遊び継続中です。

サッシを変更したらどうなるか?
室温は?光熱費は?どうなる?
サッシ変更したほうが良い?しなくて良い?

お客さんにもよく聞かれます。

結論を言ってしまえば、

ちゃんと配慮した設計なら
「±0か、もしくは利益あり」
かもしれません。




ほんとかよ?と思う方のために、試してみようと思います。


使う間取りはコラボハウスのものではなく、
「自立循環型住宅のモデルプラン」
と呼ばれるものを採用します。

外観はこんな感じ。




そして、間取りや断面図は以下の通り。





見てもらえれば分かるように、全くコラボハウスっぽくありません。
国が定めたフツーの家、「ザ・家」の例として見てもらえればよいと思います。
一般的にこうなる、という事を伝えるのが今日の目的です。


今回比較するのは、
コラボハウスの標準仕様 vs コラボ標準+窓の仕様変更版です。


コラボハウスで標準的に採用しているのはYKKAPのAPW330です。
内外両方が樹脂のサッシで、ガラスはLow-Eのペアガラス。


対する窓の仕様変更版は、APW330の「真空トリプル」です。
窓の数や大きさによってまちまちではありますが、
窓の変更には40万円程度、追加費用が必要です。

40万円の追加が、光熱費と快適性になにをもたらすのか?


普通な感じにエアコンを使う家の場合と、
24時間常時エアコンを稼働させて家中どこもかしこも快適な家
それぞれの場合で計算します。


【普通な感じにエアコンを使う家】
何を「普通な感じ」としているか、というと、
人が部屋にいるときにエアコンをON。
人がいなくなったらOFF。
就寝のタイミングでOFF。
起床したらON。
という感じです。

コラボ標準仕様 vs サッシ強化の光熱費の差です。
ちなみにガラスはすべて、日射遮蔽タイプのLow-Eガラスです。





なんとなんと、2800円/年。
35年で98,000円。

んー、40万円かけたんだけどなあ、という結果。
室温は、寒さが響くのは寝ている間なので、寝室の室温を確認。





最大0.7℃、室温が上昇。

エアコンをつけたり消したりする生活であれば、
室温が0.7度上がり、35年で98,000円コストが削減できます。


目立つメリットがあるとは言いにくい結果。。。。



あまりエアコンを使わなかったからだ!ということで、次です。



【24時間常時エアコンを稼働させて家中どこもかしこも快適な家】
家中どこもかしこも、冷暖房がしっかり効くように、
24時間ずーっとつけっぱなし。
その場合の、コラボ標準仕様 vs サッシ強化の光熱費の差です。

またもやガラスは、日射遮蔽タイプのLow-Eガラスです。



驚きの、7700円/年。。。
35年で27万円

むー、40万円かけたんだけどなあ、という結果。




室温は、どちらも一緒。変わりません。

40万円かけてサッシの断熱性能を強化すると、
快適性は同じで、光熱費が35年で27万円安くなる、という結果です。



実は、今回の問題は日射遮蔽タイプのLow-Eガラスです。
「±0か、もしくは利益あり」
と書いたのは本当で、
実はガラスを断熱タイプにすると、結果が変わってきます。

次回、続編です。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

2017年6月10日土曜日

プロが撮った自宅写真!


先日、プロのカメラマンの手によって、我が家の外観写真を撮影していただきました。
庭の木樹が徐々に育ってきていて、どうにか写真に耐える感じになってきました。





ジューンベリーやらブルーベリーやら、
ベリー系の果実がわんさかなるようにしてあって、
既にジューンベリーは収穫して食べてます。
一番手前に生えてるやつで、
てっぺんあたりの実は手が届かないくらい背が高くなりました。


次男坊が延々と食べ続けるのでどうにか制止しつつ、
一部がジャムになって朝食に出てきてます。


ブルーベリーは、果実の色が濃ゆくなったのでイケる!
と思って食べてみたら全然ダメでした。。
調べてみたら、もうちょっと待つ必要があったようで。。
もうちょっとかな。



庭をお願いしたのは吉田ランドスケープさん。
僕ら夫婦の希望は、

 ・とにかく木がモリモリ生えて欲しい
 ・食べられる庭がいい
 ・板塀ではなく、緩やかに生け垣的なのがいい

吉田さんには数年後が見えているんだろうなと思われる木樹の成長具合です。
楽しみだ!


それにしても窓が多い家だな。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所


2017年6月8日木曜日

断熱と室温と光熱費と




先日「ホームズ君」という温熱シミュレーションのできるソフトウェアを導入しました。
細かい話は省きますが計算方式が画期的で、
今までのソフトウェアと比べ、
室温のシミュレーション結果が現実に近くなったんです。
「ホームズ君」という名前がなんとも言えず緩いですが、
その実力はかなり期待できるもの、と言われています。


このシミュレーションソフト「ホームズ君」を使って得た結果から、
断熱性能を高くすることで、室温がどうなるか、光熱費がどうなるのか、
見てみようと思います。

気になっていたのが、ZEHレベルの断熱(コラボハウスの標準仕様)と、
今でも多く建てれられているらしい断熱等級3の家の違いです。


断熱性能を向上させると
・快適になる
・光熱費が下がる

と言われますが、さてどうでしょう?
どの程度の差が出るでしょうか?



寒い冬の日(2月中旬のある日)

深夜0時まで暖房し、就寝とともに暖房OFF
  ↓
朝6時に起床するとき暖房再稼働

の間、早朝5時の気温を描いたのが下の図です。



【ZEHレベルの断熱性能】



【断熱等級3】



パッと見で色の違いがわかると思います。
この時、外気温は2.7℃です。
寝室のある2階の間取りで右下が主寝室ですが、ZEHレベルの断熱性能があれば、暖房を切って5時間後で室温が15.1℃。断熱等級だと11.8℃です。

11.8℃。流石に寒いです。
ZEHと等級3では、この差が出ます。

昼間は設定温度21℃で、エアコンがしっかり動いてくれるので同じ21℃になりますが、ひとたび暖房機を止めると、数時間で命運が別れてしまいます。

断面図も見れます。

【ZEHレベルの断熱性能】


【断熱等級3】



断面図の右上の部屋、トイレです。
朝起きてトイレに行くと、寝室と同じく16℃程度あるZEHの家と、
寝室と同様に13℃と寒い断熱等級3の家。
気温差は明白です。



昼間は同じ室温。早朝は異なる室温。
そんな環境ですが、必要な光熱費の差、というと、、、




こんな感じ。
表の一番右下の数字が、光熱費の差です。
暖房費、冷房費、
全部合わせて年間14000円程度の違いがでるようです。
当然、断熱等級3の家のほうが光熱費が高いです。


とはいえ、断熱等級3の家は2020年以降は建てることすらできません。
役所から建築許可がおりないんです。
今家の建築を検討している方で、断熱等級3の家はどうか、と言われたら、是非とも考え直してみてください。
ポイントは「サッシ」です。
アルミサッシだったら、等級3を疑ってみて下さい。
そして、住宅会社の人に聞いてみて下さい。



光熱費がたくさんかかってしかも部屋が寒いなんて、辛いです。
5年前、10年前なら仕方がないですが、今建てるなら、避けましょう。
アルミ樹脂複合サッシに変更する程度なら、そんなに金額差はないはず。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

2017年6月7日水曜日

窓をめぐる熱の話:冬


前回は、夏の室内の暑さを軽減するためには、窓の性能を上げることよりも、
日射遮蔽を充実させたほうが効果的、という話をしました。

夏は確かにそう。では冬は?
日射遮蔽したら日射取得量が減って損する方向に傾くのは仕方がないとして、窓の断熱性能と日射取得熱の収支がどうなるか、計算してみます。




諸条件は以下の通り。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
期間:1月15日〜2月14日
室温:21℃固定
外気温:2001年〜2010年の10年間の平年値
日射量:南垂直面の日射量(NEDOの日射量データベース閲覧システムより)
窓:2.56m x 2.2m 2枚、2.56m x 2m 2枚
窓種類1:エピソード(日射取得率0.4、Uw値:3.49)
窓種類2:APW330(日射取得率0.4、Uw値:2.33)
窓種類3:APW430(日射取得率0.33、Uw値:1.60)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


窓を通しての一ヶ月間の熱の収支のみに着目します。室温は21℃固定なので、それに応じた暖房を稼働させることが前提です。



ーーーーーーーーーーーーー
【エピソード】
外側がアルミで室内側が樹脂の、アルミ樹脂複合サッシです。


  総熱損失量:778MJ
  総日射取得量:807MJ
  収支:29MJ

エピソードだと窓だけで収支がほとんど閉じてしまいました。1ヶ月で29MJといえば、電気ストーブ換算で210円分程度の熱量です。ちょびっと。1日6.8円ゲットです。。。



ーーーーーーーーーーーーー
【APW330】
ウチもソトも樹脂の全樹脂サッシ。ペアガラスが基本です。
熱損失量:520MJ
日射取得:807MJ
収支:287MJ
APW330にすると、収支は10倍くらいに増えます。電気ストーブで2000円分程度のエネルギーです。1日65円ゲット。



ーーーーーーーーーーーーー
【APW430】
ウチもソトも樹脂の全樹脂サッシ。トリプルガラスです。
熱損失量:357MJ
日射取得:666MJ
収支:309MJ
APW430だと、追加費用はそこそこかかりますが、2150円程度分のエネルギー。1日70円程度。APW330に比べ、一日あたりプラス5円程度の差が出ます。




サッシをAPW330からPAW430に変更しようとすると、それなりに費用もかかるので、1日5円程度のプラスではちっとも割に合いません。エアコンで暖房しようとすればなおさら。


窓が高性能になれば窓付近の体感温度が変わるので、APW430に変更する意味が無いとは言いません。ただ、かける費用に対してどれだけ利があるのかと言えば、今の価格差では、「冬の体感温度が上がる」以外の金銭的な利は無いです。体感温度も、カーテンや障子で十分緩和できる範囲なので、誰も彼もに超おすすめ、とは言えず、、、


エネルギーの金額(電気代)が一気に上昇したら、また話は変わってきます。そんな時代が来る可能性も十分にある(と思ってます)。が、今の環境では、お客さん皆さんが納得するような明確なメリットは、提示できないです。


LIXILさんだったら、ほぼ同等の性能を持ったサーモスXが良いと思います。
これは複合サッシですが、全樹脂と同等の性能を持ってますので。


のゴロウ

2017年6月6日火曜日

窓をめぐる熱の話:夏


窓まわりの熱の話、もう少し続きます。
そして、今回は細かい内容です。

読むのが面倒な人はサラッと結論だけ見て下さい。


夏は日射遮蔽しないと季節外れの暖房になる、と、
外から中へ入ってくる熱の話をしてきました。

今回は、窓を介して出入りする熱の全体像を見てみます。


夏と冬で様相が異なるので、今日は夏の話。



実際に計算してみます。
条件は以下のとおり。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
室温 :27℃
外気温:35℃ (愛媛県松山市のほぼ最高気温)
 →8月中旬に記録
2.56 x 2.2[㎡] の面積の窓を通って室内に入ってくる日射量:880 [W]
窓:APW330 遮熱Low-Eガラス(熱貫流率は 2.33 [W/㎡・K ]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

熱は、温度の高い方から低い方へ移動していくので、
夏なら、外から中への熱移動です。

前々回の記事では、太陽からの熱が室内に入ってくる量の話をしましたが、
入ってくる熱は太陽の熱だけではありません。
ガラスやサッシを通してジワジワと室内に伝わってくる熱もあります。

これは熱貫流率と外気温、室温がわかれば計算できる熱量でもあります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2.33 x (2.56 x 2.2) x (35-27) = 104 [W]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日射熱が880W、伝導でじわじわ伝わってくるのが104W。
窓から室内に入る熱の合計が 984W で、日射が9割、伝導が1割。

夏、しっかりと日射遮蔽をすれば、室内の暑さ対策はどうにかなりそうですね。




次に、窓の断熱性能を向上させるとどんな影響がでるか、考えてみます。


APW330の熱貫流率は前述のとおり2.33。
同じくYKKAPのサッシで最高性能を持つのは、APW430で、熱貫流率 1.60。

APW430の場合、室内に伝わってくる熱は、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
伝導:1.60 x (2.56 x 2.2) x (35-27) =  72 [W]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日射遮蔽するだけで880Wも削減できたのに対して、
サッシの断熱性能を向上させると、わずか32Wの削減。。。。



視点を変えて、日射遮蔽せずにガラス性能を向上させて対応!
なんて提案をしたらどうなるでしょうか?

日射取得率に関して、APW330の遮熱Low-E(0.4)を上回るのは、
APW430のダブルLow-Eトリプルの遮熱タイプで、0.33。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
880w / 0.4 * 0.33 = 726 [w]
880 - 726 = 154 [w]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結構お金かけてガラス性能を向上させたら、154W削減できました。。。
明らかに軒出したほうが安上がりですね。



夏の暑さに対しては、窓の性能を上げるよりもなによりも、
日射遮蔽にチカラを注ぐべきということです。
そのほうが経済的。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所




2017年6月5日月曜日

軒を出せばいいんだけども



特に大きな窓には軒や庇が必要ですよと、事あるごとに書いています。
前回(http://collabo56.blogspot.jp/2017/06/blog-post_4.html)も書いたとおり、
軒のない、日射遮蔽のされていない大きな掃き出し窓は、
夏の暑い日に電気ストーブを使っているのと同じだけの熱を取り込んでしまいます。
正気の沙汰ではないと思うのです。

それを防ぐためには、ただ日射遮蔽をすればいいんですが、
「軒・庇を出す」以外の選択肢も知っていれば、
デザインにも自由度が増すだろうと思い、まとめます。

■軒・庇
 言わずもがな。軒、庇。
 南面に軒ゼロはダメ、ゼッタイ。
 と言いたいですが、事情はそれぞれなので、
 代替案が続きます。
 ※写真はスタッフ自邸。たっぷりと軒が出てます。


■アウターシェード/スタイルシェード
 YKKAPやLIXILが出している、
 窓の外部に取り付けるロールカーテンのような日除け。
 前述のスタッフ自邸は北側からの日射の入り込みが大きく、
 夏の朝、若干オーバーヒート気味だったことから、即対策。
 効果絶大とのこと。
 ちなみに、外から中はほぼ見えませんが、中から外は意外と見えます。

 
■外付けブラインド
 おそらく最強の日射遮蔽部材です。
 ただ遮るだけでなく、眩しさを抑えつつ熱をゲットしたり、
 日射を遮りながら眺望をゲットしたり、
 微調整が効くところが他の追従を許さない最強たる所以です。
 金額も、まあまあ最強の部類ですが、
 ここ最近値段が下がっていて、
 以前は一窓30万円はかかりますかねー、と言っていたのが、
 半額にまでなってます。
 そのおかげで、本気で検討すべき段階に入りました。
 軒を出すのも躊躇われるほどに敷地の制限がきつく、
 でも日射遮蔽しなければならないときは、必須です。
 西に眺望の期待できる土地の場合も、必須でしょう。
 予算に余裕がある方も、効果的な日射遮蔽・取得ができるのでオススメです。
 

 ※OSMO&EDEL 外付けブラインドカタログより抜粋

■グリーンカーテン
 ゴーヤ、きゅうり、ヘチマ等々
 ツルでグイグイ上に行く奴らを窓の前に育てるアレ。
 収穫して食べたり使ったりできるので、
 楽しさと日射遮蔽で一挙両得。
 ただ、意外と青臭いです。
 ゴーヤは、受粉してあげないとチッコイのしかできないことがあります。
 虫も、無視できません。


■タープ
 庭先や窓の上に、タープを設置して日射遮蔽するのもアリ。
 逆に良いかもしれないと思わせるのは海外の写真だからだろうか。
 でも、直射を避けつつ外でのんびりできるスペースを確保して、
 しかも、光をある程度通してくれるタープなら、室内を暗くすることもなく楽しそう。
 こんな手もありますよね、という話です。

 ※Pinterestのキャッシュから発掘。

■オーニング
 オープンカフェに付いてそうなやつ。
 雨も避けられるし、日射遮蔽もしてくれるし、
 閉じたら日射取得量も稼げるし、結構良いかもしれないと思っています。
 取ってつけた感が、やや敬遠するところかもしれませんが、
 好き好きとも思います。

 ※LIXILさんHPより抜粋

■すだれ
 オーソドックスな日射遮蔽ツール。
 日本では昔から使われています。
 和のテイストにも合うので、軒下空間+すだれ も良いかも。
 個人的には好きです。
 自宅の最終手段もすだれかなと思ってます。





以上、日射遮蔽手段は軒・庇を出すだけに限らず、
部材を追加したり植物を育てたり、
可能性はまだまだたくさんあります。



軒が出ていないからNG、とか、庇が無いからNGとかそういう単純なことではなく、
住む人のライフスタイルに合った提案こそが大切だと思います。
後付でどうにでもなる。

冷静に、ベストな提案というよりもベターな選択を提示できることが、
住む人の生活を豊かにするのでは、と考えます。

そもそも考慮していない、とかはNGと思います。


のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

2017年6月4日日曜日

窓のチカラ


今日は「窓」が室内にもたらす熱についての話。
特に、リビングによく設置される大きな引違い窓について書きます。

窓にはよく使われる規格サイズがあります。
大きな引違い窓でよく使われる既製サイズが「2.56m x 2.2m」です。



このサイズの窓を通して家の中に入ってくる熱量は、夏、冬でどう変わるでしょうか。

夏は暑いからたくさん熱が入ってきそう。
冬は寒いからあまり熱が入ってこなさそう。

と思うかもしれませんが、実は逆です。

昼の12時に2.56m x 2.2m の窓から入ってくる太陽の熱は、
年間を通してこんな感じに変わります。
 ※遮熱タイプのLow-Eガラスで日射取得率は0.4の場合



オレンジが、軒が無い場合に室内に入ってくる熱量、
青が、軒のある場合です。

パっと見て分かるのが、単純な熱量は、夏のほうが小さく、冬のほうが大きいことです。
地面のような水平の面に対しての熱量は、夏が大きく冬が小さくなりますが、
窓や壁のような垂直の面に対しては、その逆なんです。


そして、軒の効果。

夏、気温が高くなる7月、8月ごろには、
軒の無い窓からは700〜800Wの熱が入ってきます。



これですよこれ。これの「強」運転です。
真夏にこれはヤバいでしょう。
軒がおよそ90cm出ていることで、5月〜8月は室内に太陽光が直接入ってきません。
十分な軒さえあれば、これ1台分が無くなります。


軒のある/無しが電気ストーブ一台分の差になると思えば、
明るさや開放感だけを求めて日射遮蔽せず大きな窓を使うことは危険ですし、恐怖です。
恐怖ですが、正直、今でもやっちゃってる家をよく見ます。
窓が小さくて入ってくる熱量が小さければ救われますが、
大きな掃き出し窓でやっちゃうと、一発NGです。

夏、暑くてたまらないんだろうなあ。
暑いからエアコンかけまくるんだろうなあ。

ただ、たとえやっちゃってしまった後でも、まだまだどうにかなるので、
気になる場合はご相談下さい。
南面の掃き出し窓にはご注意を!



転じて冬。
最も寒くなる1月頃には、軒があっても1500Wもの熱が入ってきます。



電気ストーブほぼ二台分です。
冬の寒い日、「太陽」という名の無料暖房が電気ストーブ2台分。
これはお得。

ちなみに、朝、日が昇って日没まで、
軒のある南面の2.56m x 2.2mの窓から入ってくる熱量の合計は、
一日あたりおよそ9kWh。
同じだけの熱量を電気ストーブで賄うと、金額にして230円。
というのが、晴れの日にゲットできるので、
一ヶ月の間に20日程度。

大きな窓一枚で、電気ストーブにして4600円/月分の熱量を得ることができます。


「窓」は熱が逃げていく場所でもありますが、
冬には熱を得る場所にもなります。
冬の日照時間の長い地域では太陽の熱をゲットする能力を生かしやすいので、
積極的に南面の窓を大きくしていくのも、良い方法だと思います。



ちなみに我が家は、南面が窓だらけ。
冬の太陽の光をとにかく取り入れたい気持ちで設計しています。

2.56m x 2.4m の窓が2つ、2.56m x 2mの窓が3つ。
トリプルガラスなので太陽の光をやや取り込みにくいですが、
それでも月々、電気ストーブにして20000円分くらいの熱量を得ています。無料で。

どうりで、真冬に暖房をしていなくても、室温が26℃まで上がるわけです。


のゴロウ
g-takagaki@collabohouse.info
コラボハウス一級建築士事務所